節分
HPセンター長コラム写真H31年2月

冷たい風の中にもなんとなく春の到来を予感させる季節になりました。2月4日は立春です。3月21日の春分へと春は駆け足でやってきます。久山の桜は、まだまだ眠りから覚めそうにありませんが、小さな花芽の一つ一つが小さいながらしっかりと開花への準備を進めているようです。毎年多くの人々で賑わう「ひさやま猪野さくら祭り」は、今年は3月30日(土)31日(日)の両日に伊野天照皇大神宮周辺で開催されます。桜は不思議な花です。なぜか私たちの心を浮き立たせ、蟻が蜜に群がるように私たちを寄せ集めます。今日私たちが目にする桜のほとんどは、江戸時代末期から明治にかけて江戸の染井村(現:豊島区駒込)でエドヒガンとオオシマザクラから生まれた桜の中からある特徴のある一本を選び接ぎ木で増やしていった「ソメイヨシノ」という桜だそうです。すべての「ソメイヨシノ」は全く同じ遺伝子を持つクローンということです。そのため、同じ気象条件のもとでは、一斉に咲き一斉に散ることになります。その短い開花の日々を共に楽しみ、酔い、共に惜しむという今日の「お花見」というイベントが日本のいたるところで展開されるようになったのもそのお陰かもしれません。
今日私たちが使っている西暦の1月1日には特段の天文学的意味はありませんが、昔の日本の暦である太陰太陽暦の1月1日には天文学的位置づけがありました。月の満ち欠けの繰り返しと太陽の動きを組み合わせた暦です。太陽が天球上を一年かけて動く道を黄道といいます。黄道が、地球の赤道を天球上に映した天球の赤道と南から北へ交差する時が春分の日です。黄道上の一番北側の点が夏至、北から南への交差点が秋分、一番南側の点が冬至、そして一巡して春分となります。旧暦ではこの春分の日を一年の区切りとしました。また、月は太陽がその裏側を照らし地球からは陰になる新月から徐々に三日月になり上弦の半月から15日目に満月になり、また少しずつ影を増やして下弦の半月から新月になることを29日か30日で繰り返します。新月を月の初め朔日(ついたち・1日)としていたので立春に一番近い新月の日(今年は2月5日)が旧暦の1月1日となります。
立春の前日(2月3日)が節分です。そもそも節分は、立春、立夏、立秋、立冬とそれぞれの季節の節目の前日のことです。その中で、昔の新年である立春の前日の節分は大晦日にあたるため、それまでの月日のけがれを祓い浄め、新年を迎えるという儀式としての意味もありました。そこで、今日では節分といえばこの日を指すようになります。最近では、その年の歳神様が来臨する方向「恵方」を向いて巻寿司を食べると願い事が叶うという「恵方巻」が全国的なブームになっています。レスポアール久山では、邪気を祓う「豆まき」や願い事を叶えるという「恵方巻」はありませんが、子どもたちが作った赤鬼や青鬼、お多福など可愛い折り紙をロビーに展示して皆様をお待ちしております。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴