自分史年表
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桜の季節がやってきました。久山の町は二三日前から桜色に染まっています。このコラムがアップされる4月には、猪野のさくら祭りは終わっていますが、きっと満開の桜を存分に楽しむことが出来たことでしょう。桜の木は、律義に一年毎のこの時期に間違いなく美しい花を一斉に咲かせます。ただ、あっという間に花びらを散らし、青々とした葉を繁らせます。まるで、それぞれの木の中に一年間のカレンダーが組み込まれているようです。私たち動物には、一日のリズムを調整する体内時計はあるようですが、一年一年の時間の流れが分かるシステムにはなっていません。年度替わりと重なるこの時期の桜の開花は、そんな私たちに一年の経過を視覚的に教えるとともに、新たな年度へ向けて気持ちを引き立たせてくれるようです。
「平成」の元号を当時の小渕官房長官がテレビで発表されたのはついこの間のことのようです。あれから30年以上が過ぎ、この4月でその平成も終わり、5月からは新しい元号の年が始まります。皆さんは、4月1日に発表された新しい元号をそれぞれの思いで受け止めておられることでしょう。元号が改まるということは、ただ単にその後の年々の呼称が変わるということにとどまらず、私たちの暮らしが新しいものに変わり、何か良いことが起こるのではないかという期待感を抱かせます。昔の人々も、改元に様々な願いや祈りを込めてきたのかもしれません。
最近一段と時間の経つのが早くなった気がします。人は年齢を重ねると同じ体験をしても、子どもの時代に比べ感動やときめきを感じにくくなるそうです。年齢による生理的な衰えはままならぬにせよ、様々な出来事に興味関心を持つ努力を通して、豊かな時間を少しでも取り戻したいものです。「光陰矢の如し」といいます。放たれた「矢」と同じように「時」も後戻りはできません。「後戻り」はできませんが「振り返り」はできます。振り返る中身は年をとればとるほど増えていきます。そして、振り返りとともに人生百年時代の今日では、これからの人生に彩を添える新たなる挑戦も必要です。町民図書館の審議機関である図書館協議会の白根先生の提案で6月から「自分史年表づくり」講座を開設いたします。それぞれの一生を振り返る「自分史」を書く前段の準備作業として、生まれた時から人生の様々な節目に世の中ではどのようなことが起きていたのかをそれぞれが図書館の資料を活用して調べ、一人ひとりが各自の「自分史年表」を作ってみようという講座です。
平成11年7月に開館したレスポアール久山・久山町民図書館も、今年で20周年を迎えます。現在、レスポアールの節目々々の出来事を社会の出来事と併せて纏め記念誌とする準備を進めています。本年度は、これまでの歩みを振り返り、様々な形でご尽力・ご支援下さった多くの方々に感謝しつつ、これからの新しいレスポアールの歴史作りに挑戦してまいります。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴