宇宙船地球号
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梅雨入りが近づいてまいりました。レスポアール久山の近くの田圃の多くは、何時でも水を張って田植えができるように準備を整えています。先日、屋久島では記録的な豪雨に見舞われて、多くの登山者が孤立する事態がありました。この日一日に屋久島に降った雨は、例年の五月のひと月分にも相当する量だったそうです。ここ数年、この時期の雨の降り方について、何十年に一度のとか記録的なとかの形容詞が頻繁に使われるようになった気がします。雨が降らず日照りが続き作物の成長や飲料水の確保に影響が出るのも困りますが、極端に偏った降雨はここ数年の大きな災害の原因になっています。
これらの現象は、地球温暖化が影響しているのではないかといわれています。世界的には、温暖化による海面の上昇で海中に沈んでしまうかもしれない沿岸の村や島々のことが危惧されています。地球上の自然やすべての人類は、地球という限られた空間の中で運命を共にする存在であり、人類が生き延びるためには地球を総合的包括的にとらえる視点が必要であるという意味で「宇宙船地球号」という言葉が思い起こされます。暮らしの面においても科学技術や経済の発展によりグローバル化やボーダレス化が急速に進行する中で、同じように世界を総合的包括的に把握する視点が必要になってきています。これまでの長い歴史の中で、人類は自然とともにあるがままにその生を全うしてきましたが、ここにきて、人や物、情報の高速化や、爆発的な人口増加により時間的にも物理的にも急激に狭まった地球という空間の中で、私たち人類は、地球が有限であり、その資源のみならず地球そのものを大切にしなければならないということを自覚して生きなければならない時代に突入してきています。
グローバル化やボーダレス化の流れはこれからもさらに進んでいくことは間違いありませんが、まだまだ少なからぬ地域あるいは国家間で紛争が後を絶ちません。また、ボーダレスの先進的取り組みを進めてきたEU諸国の中にも自国ファーストの動きが勢いをつけてきているという残念な現実もあります。わが国でも、北方領土の返還について「平和的」にではなく「戦争」による解決を目指すべきと捉えられかねない発言が問題になっています。
多くの人類が「地球市民」としての自覚を持つという理想に到達するにはまだまだ長い道のりがかかりそうですが、私たちには後戻りという選択肢はありません。私たちの存在意義の一つは、この惑星の上で限られた瞬間を悔いのないように精一杯生きることだと思いますが、これは、限られた人たちだけでなくこれから生まれてくる人を含むすべての人々に保障されなければならないものです。レスポアールでは、6月から「レスポ塾」「歴史講座」「自分史セミナー」などのみんなで楽しく学ぶ講座が始まります。また、町民図書館では古今東西の英知が詰まった多くの書籍が皆さんをお待ちしています。「地球市民」として共に学んでみませんか。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴