
梅雨はまだ明けていませんが「ささの葉さらさら、のきばにゆれる・・・」七夕の時期になりました。レスポアール久山では、毎年この時期、竹林のあるお宅から大きな笹竹をいただき、ロビーと図書館に七夕の笹飾りをします。笹飾りの前に、こよりを付けた短冊を沢山用意して、願い事を自由に書いていただいています。7月は別名「文月」といいますが、この短冊に詩や願い事を書き、書道の上達を祈ったという江戸時代からの風習が、その由来ではないかともいわれています。昨年も、来館者の皆さん特に子どもさんたちにたくさんの希望や願い事を書いてもらいました。「言霊(ことだま)」という言葉があります。古来、日本では言葉にして口から発すると、言葉どおりの結果をもたらす力があると信じられてきました。願い事を「書く」という行為もそれにつながるものと思われます。短冊に書かれた皆さんの願い事はうまく天に届き叶えられたでしょうか。
「お星さまきらきら、きんぎん、砂子・・・」子どもの頃、星空を飽きずに眺め続けていたことを思い出します。昔の夜空は、天の川が今よりはっきりしていたようです。天の川を挟んで輝く織姫星と彦星もはっきりとわかりました。私たちは、太古から命をはぐくみ続けてくれた海や山に郷愁を感じるように、夜空の星にもそれに似た思いを感じるようです。宇宙の誕生以来、星々の誕生と死が様々な元素をつくり、それら星々のかけらからできたこの地球で有機物が生成され、人間をはじめとするすべての生物の命の元が創られます。私たちの「命」がそのことを感じているのかもしれません。
7月の久山塾は、元NHKディレクターの吉田浩二氏による「ハウステンボス秘話とユネスコの心」歴史講座は、新宮町教育委員会の西田大輔氏による「相島積石塚群」です。子どもたちの踊りやものづくりを楽しむ「ちびっこフェスタ」も30日(土)の開催に向けて発表団体や講師の先生方のご協力を得ながら準備を進めています。 町制60年を祝うとともに熊本の震災へのチャリティ事業でもある「大衆演劇・大川龍昇とさつま舞踊団」公演も文化協会や老人クラブ連合会の皆様のご協力を得ながら広報・販売に努めています。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」平家物語の冒頭の句です。現実の世界は、まさに「無常」です。なかなか思い通りにはいきません。この「無常」を「わび・さび」と対極の視点から大衆とともに守り育ててきた舞台芸術が大衆演劇です。
茶の湯の教えに「一期一会」という言葉があります。人と人の出会いに同じものはない。その時々の出会いを一生に一度の出会いとして大切にしなければならないという意味です。レスポアール久山では、事業の中身はもとよりですが、参加する皆様のそれぞれの出会いを大切にしたいと考えています。

センター長兼図書館長 太田隆晴

2019年02月 節分
2019年01月 開館20周年
2018年12月 久山の歴史探訪
2018年11月 健康寿命と図書館
2018年10月 レスポアールと生涯学習
2018年09月 久山の魅力の発掘と発信
2018年08月 つながりの輪
2018年07月 子どもの願い地域の願い
2018年06月 紫陽花
2018年05月 国民の祝日
2018年04月 大切な人に本を贈ってみませんか
2018年03月 お客様(来館者)は「家族」です
2018年02月 不易流行
2018年01月 一年の計は元旦にあり
2017年12月 社会の健康
2017年11月 案山子
2017年10月 手に手をとって
2017年09月 図書館へ行こう
2017年08月 「山の日」に思う
2017年07月 ウォーターボーイズ
2017年06月 梅雨
2017年05月 鯉のぼり
2017年04月 情けは人の為ならず
2017年03月 寄り道
2017年02月 私たちの誓い
2017年01月 無財の七施
2016年12月 笑いは百薬の長
2016年11月 歳月人を待たず
2016年10月 あたりまえ
2016年09月 平和