生命と平和
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暖冬とはいえ、まだまだ暖房の外せない日々が続いていますが、レスポアールの南側を流れる新建川沿いの桜の木は小さな花芽をつけ始めています。2月3日は節分です。レスポアールのロビーでは、折り紙コーナーを設け、来館者や子ども達に「お多福」と「鬼」を折ってもらっています。春はもうすぐそこまで来ています。

例年この時期、受験生にとってインフルエンザが心配の種の一つですが、今年は、受験生のみならず、世界中にコロナウイルスの感染の脅威が広がっています。ほぼ100年前の1918年から1919年にかけて流行した「スペイン風邪」では世界中で5億人もの人々が感染し、5,000万から1億人もの死者が出たと言われています。当時と比べて、生活環境や衛生状況また検疫体制や医療技術は格段に進歩しているので、むやみに恐れる必要はないと思いますが、交通網や移動手段の発達による感染の広がりのスピードには驚きを禁じえません。感染を広げないために、また、一日も早い終息のために万全の対策と一人ひとりの用心が求められています。

アフガニスタンで医療や灌漑事業を通して現地の人々のために大きな貢献を果たしてこられたペシャワール会現地代表の医師中村哲さんが、昨年12月に凶弾に倒れました。中村さんの志と行動力、生き様は、現地の人々だけでなく日本をはじめ世界の多くの人々に勇気と生きる力を与えてきました。今、改めてその偉大さを思い起こし、死を悼む声が日々高まっています。「率先して弱いものをかばえ」「どんな小さな命も尊べ」という子どもの頃聞いた祖母マンさんの教えが中村さんの行動原理の一つになっているそうです。中村さんと同じようにインド、カルカッタのスラム街に入り、病める人や貧しい人々のためにその半生を捧げたマザー・テレサという方がいます。私はお二人の行動に感銘を受け共感もいたしますが、具体的な行動としてお二人のように実践出来るかというととても自信が持てません。ただ、彼女がノーベル平和賞を受賞した時のインタビューで「世界平和のために私たちはどんなことをしたらいいですか」という記者の問いに「家に帰って家族を愛してあげてください」と答えたというエピソードは、「自分の足元から自分に出来ることを始めればいいのだ」という私なりの一つの答えとして胸に刻ませていただいています。

レスポアールの職員として利用者の皆様を温かくお迎えすること、心を込めて様々な事業に取り組むことが、世界平和につながるのだと信じて日々の業務に励みたいと思います。この2月も、ぶらぶら歩き、そば打ち体験、自分史セミナー、おはなし会、読書会、歌声喫茶と様々な事業や古典から最新刊まで6万5千冊の図書が皆様のお越しをお待ちいたします。また、21日から27日までは、飲酒運転による交通事故で理不尽に命を奪われた犠牲者が主役のアート展「ミニ・生命のメッセージ展」がロビーで開催されます。是非ご来場ください。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴