三方よし
センター長コラム12月_画像

本格的な寒さはまだまだですが、朝夕の冷え込みは、冬の到来が近いことを予感させます。伊野天照皇大神宮の前を流れる猪野川沿いの紅葉もすでに盛りを過ぎました。建物の外の光を取り入れているレスポアールのロビーを眺めていると、事務室に居ながらにして、日ごとに日没が早くなっていることがよく分かります。一年で昼の時間が一番短くなる今年の冬至は12月22日です。冬至という言葉には、なんとなく暗く寂しいイメージがありますが、この日を境に昼の時間が一日一日のびていくことになります。古代では、この日を一年の始まりとして祝った時期もあったそうです。イエス・キリストの誕生を祝うクリスマスも、キリスト教以前の冬至祭りとの混淆で出来たものとの見方もあるようです。
 寒いからと家に閉じこもっていては、身体も頭もなまり、気持ちまで塞いでしまいます。レスポアールでは12月も、皆様に「お出かけ」いただくための楽しい「場と機会」を用意いたしております。4日(水)の「ぶらぶら歩き」はC&Cセンター隣の高橋池周辺を歩き、黒米のおはぎを味わいます。7日(土)は全国トップクラスのアマチュア落語家による「けやき寄席」、13日(金)の「久山塾」は、元西日本新聞社記者でシニア向け月刊誌「ぐらんざ」の連載コラム「世は万華鏡」の執筆などで活躍中の馬場周一郎さんによる講演「長生きを幸せにするために~笑顔あふれるまちづくり~」があります。14日(土)は図書館ボランティア「もこもこ」による大型絵本の読み聞かせや手遊び歌など親子で楽しむ「クリスマスおはなし会」。15日(日)は、レスポアールの利用者の皆様が日ごろの学習・練習の成果を発表しあう「クリスマスフェスタ」で、飲食物や雑貨の販売や楽しい抽選会もあります。17日(火)は歌声喫茶。18日(水)は「首羅山とその周辺」について学んできた「歴史講座」の最終回です。 さらに、町民図書館では、古今東西の有名な作家や新進気鋭の若手作家の作品、子どもと読みたい本、子どもに読ませたい本たちが皆様のお越しを毎日お待ちいたしております。
 近江商人の商売の極意として「三方よし」という言葉があります。三方とは「売り手」「買い手」そして「世間」のことです。売る人や買う人だけでなくその売り買いが社会のためになっていることが大切であるという意味です。企業が自社の利益だけを追求するのではなく、社会の構成員としてその責任を果たす必要があるという今日の「CSR(Corporate Social Responsibility)」の取り組みにも通じるものです。さらに、その商売十訓のなかに、「無理に売るな、客の好むものを売るな、客の為になるものを売れ」という言葉があるそうです。考えさせられる言葉です。社会教育や生涯学習における学ぶべき内容にも、人々が求める「要求課題」と人々のためになる「必要課題」があると言われます。レスポアールのこの一年の取り組みを振り返り、新しい年に向かって改めて「必要課題」は何かを考えたいと思います。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴