令和元年
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「平成」が終わり、いよいよ「令和」の年が始まりました。万葉集の梅花の歌の序文を出典とするこの元号「令和」には「悠久の歴史と香り高き文化、四季折々の美しい自然、こうした日本の国柄をしっかりと次の時代へと引き継いでいく、厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人一人の日本人が明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたいとの願い(官邸発表)」が込められているそうです。
レスポアール久山のロビーでは、天井に六匹の大きな鯉のぼりが優雅に泳ぎ、その下で、大型連休中の子どもたちが、にぎやかな笑い声をあげています。新建川沿いでは、青々とした若葉を繁らせた桜の木陰を爽やかな風が吹き抜けています。元号が新しくなっても、私たちを取り巻く環境や日々の暮らしが変るわけでもないのですが、不思議と私たちの身の回りや暮らしに何か新しい良いことが起こるのではないかという思いが湧いてきます。
平成の30年間は、雲仙普賢岳の噴火・火砕流に始まり、阪神淡路大震災、福岡西方沖地震、台風、豪雪、各地の集中豪雨、さらには未だ復興半ばの東日本大震災等々次々と起こる自然災害に翻弄され、自然の持つ大きな力の前に私たち人間のかよわさを思い知らされた時代だったようです。ただその中でも、被災者に寄り添い共に復興を目指そうという思いから多くの人々がボランティア活動を始めるようになり、ボランティア活動そのものが世の中の人々に認知されるきっかけにもなりました。また、人と人のゆるぎないつながりの中で支え合い助け合うという意味を持つ「絆」という言葉も改めて多くの人々が思い起こすようになりました。私たちは自然をコントロールすることも、災害を無くすこともできませんが、経験をもとに被害を最小限に抑え、助け合い励まし合うことで災害からのダメージを軽減するとともに、新たな希望を育み合うことはできます。
被災地における安否確認や救助、避難生活等々についての検証の中で、日常の近隣の人々の交流や住民組織の有りようが少なからぬ影響を及ぼしていることが明らかになっています。久山町は、これまで自然や地域環境を守るため開発を抑制して来たことで人口流動が少なく、人々の関係は濃密なものがあり、その点では少し安心できそうです。ただ、久山町においても高齢化や世代交代が進むとともに、新しい住民も増えてきています。さらに、社会の様々な状況が急速に変化する中で、コミュニティの要素として「血縁」「地縁」だけでなく、学びや様々な活動を通して人々がつながり合う「知縁」の重要性が指摘されています。レスポアール久山におきましては、新たなる「令和」の時代を町民の皆様が、安全安心にお過ごしいただけるように、文化交流の拠点施設として「知縁」づくりのお手伝いに努めてまいります。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴