梅雨
あじさい

梅雨の季節になりました。「五月雨(さみだれ)を 集めて早し 最上川」これは江戸時代の俳諧師松尾芭蕉(1644~1694)が雨で増水し激しく流れる最上川(山形県)の様子を詠んだ句です。芭蕉は45歳の時弟子の河合曾良を伴い、奥州、北陸を巡る俳諧の旅へ出ます。その時の紀行文「奥の細道」にこの句があります。ところで「五月雨(さみだれ)」とは梅雨のことです。「五月晴れ」も今日では新暦5月のすがすがしい晴れの日として使うことが増えていますが、元々は梅雨の時期に雨が小休止した晴れ間のことです。日本で昔から使われてきた旧暦(太陰太陽暦)と明治6年から使われるようになった今日の新暦(グレゴリオ暦)とでは、ひと月からふた月のずれが生じます。私たちは、暮らしの中にそれぞれを上手に取り入れたり使い分けたりしていますが混乱や戸惑いもあるようです。
日本の上空でオホーツク海高気圧の冷たい風と太平洋高気圧の暖かい湿った風がぶつかり合ってできる前線が停滞し雨を降らせるのが梅雨です。7月に入り太平洋高気圧が勢いを増すと前線が北上し梅雨が明け本格的な夏を迎えることになります。これらの気象現象は、地表から11キロメートル上空までを覆う対流圏という空気の層で起こります。地球の直径は約1万2千7百キロメートルです。この地球を1千万分の1に縮小すると丁度1メートル27センチの運動会に用いる「大玉転がし」位の大きさになります。そこに対流圏の空気の層11キロメートルを当てはめると約1ミリメートルの層ということになります。様々な気象現象をもたらす大気も地球の大きさに比較すると実はとても薄いことが分かります。この薄い大気の層が私たちの命を守り、育んでくれています。近年大気汚染やCO2による温暖化が問題になっていますが私たちはもっとこの地球の大気に関心を持つ必要があるようです。
梅雨の雨は大地を潤し多くの農作物の成長を助けます。特に稲作にとっては無くてはならないものです。この時期は田植えの時期でもあります。町を取り巻く山々から清冽で豊富な水を田にひくことが出来るせいか久山の米は美味しいと評判です。ただ、この雨もあまり長く降り続くと日照不足で植物の成長を妨げ、また、川の増水、氾濫は私たちの暮らしに大きな被害をもたらします。梅雨や気候は、私たちがコントロールすることが出来ない自然の現象ですが、先人たちの経験や知恵に学べば正しく付き合うことが出来ると思います。
能の創始者世阿弥の著した「風姿花伝」の中に「能のけいこは7歳(満6歳)で始めるのが良い」と書かれていることからお稽古事は6歳の6月6日から始めるのがよいとされているそうです。レスポアールでも6月から「マスコミOBネット連携久山塾」や「歴史講座」が始まります。また、7月16日(日曜)には浅野祥さんの津軽三味線コンサートが2年ぶりに開催されます。雨の季節レスポアールで共に学びましょう。皆様のお越しをお待ちいたします。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴