健康寿命と図書館
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全国のあちこちで季節外れの花を咲かせている桜の木が話題になりました。この夏の厳しい猛暑や猛烈な台風によって痛められ葉を落としたことが原因のようです。レスポアールの南を流れる新建川沿いの桜並木では、土手にしっかりと根を張った桜が、紅葉はしているものの多くの葉を残し、澄みきった青い空の下で、本当の冬と春はまだまだ先だと花芽の眠りを守っているようです。なんとなく当たり前のことと思っていた「春になると一斉に満開の花を咲かせる」ということも、葉を繁らせ葉を落とす中で花芽を育て開花を促すという仕組みの中で行われていたのだと気付かされました。私たちの暮らしの中の行動や習慣もその他の様々な行動や習慣との関係の中で、思いもかけない結果を生じていることがあるようです。
先日「AI(人工知能)に聞いて見た。どうすんのよ!?ニッポン 健康寿命」(NHK:10月13日放映)という番組で紹介された興味深い内容をレスポアールの利用者に教えていただきました。AI(人工知能)とは、人間の手を借りずに自ら情報を処理し人間の脳のように学習するコンピューターのことです。北海道から沖縄まで全国の65歳以上の延べ41万の人々の様々な生活習慣や行動など600以上の項目を10年間にわたり追跡調査した膨大なデータをNHKが開発した社会問題解決型の人工知能が分析したところ、健康寿命【人の寿命のうち心身ともに健康で自立して活動できる期間】と密接な関係にあるキーワードが、一般的に予想される「食事」や「運動」ではなく『読書』であったというのです。そのことを裏付けるように、全国で一番健康寿命の長い山梨県を調べたところ、運動やスポーツの実施率は全国最下位だけれど、人口に対する図書館の設置率が全国一位【人口10万人当たり6.59館(全国平均2.61館)】また、学校図書館の専任職員である学校司書の配置率もとても高い【98.3%(全国平均59.3%)】ことが分かったそうです。2016年の日本人の平均寿命【その年に生まれた赤ちゃんが何歳まで生きられるか】は、男:80.98歳 女:87.14歳です。そこから健康寿命(男:72.14歳 女:74.79歳)を引くと、寝たきりや介護が必要になり一人で生活できない期間が男:8.84年 女:12.35年になります。この期間にかかる医療費は生涯の医療費の半分ほどに相当するそうです。健康寿命を延ばすことでこの期間を縮めれば、人々の老後の暮らしを豊かにすることが出来ると同時に医療費を大幅に減らすことが可能になります。
今年の「図書館まつり」では、例年の布の絵本の展示やブックリサイクルに加え、絵本の世界を演奏とお芝居で楽しむ公演、親子でラジオ作りに挑戦する教室、折り紙で作る動物園、自分の読書を記録するための手帳の配布など読書への関心を高めていただくための新たな事業に取り組みました。町民図書館では、町民の皆様の「健康寿命」がもっともっと伸びますように、これからもより一層「読書」に親しむ環境づくりに努めてまいります。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴