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図書館

レスポアールの南側を流れる新建川沿いの桜並木は、春は桜の花が咲き乱れ夏は青々と茂った葉陰が日差しを和らげてくれる格好の散歩道です。数日ぶりに歩いてみると「ジージリジリ」という真夏の日差しによく似合うアブラゼミの鳴き声がいつの間にかツクツクボウシの少しのんびりした鳴き声に変わっていました。秋の近づきを感じます。並木道を抜けたところで一匹のシオカラトンボが目の前を横切りました。久しぶりにトンボを見た気がしました。いつの頃からかこの季節に群れ飛んでいた赤とんぼはすっかり見かけなくなりました。日本中で赤とんぼが激減しているそうです。童謡「赤とんぼ」(作詞:三木露風 作曲:山田耕作)「夕焼け小焼けの赤とんぼ 負われて見たのはいつの日か」の世界を今の子どもたちは感じ取れなくなっているのかもしれません。社会が急激に変化する中で私たちの日常にある自然の営みや風景も知らず知らずのうちに変わってきています。久山町は、開発を抑制し自然環境を守ってきた町ですが、それでも大きな変化の波の影響を受けているようです。
それぞれの地域における日々の暮らしも大きく変わってきました。個人商店が少なくなり、買い物はほとんどスーパーやコンビニエンスストアで行っています。また、町の小さな書店がどんどん少なくなり、全く書店のない町や村が増えてきているそうです。レスポアール久山(久山町民図書館)が出来た平成11年(1999)に全国に22,296店あった書店が平成29年には12,526店とこの18年間でほぼ半減しています。
自然や町のありようだけでなく、私たちの社会の多くの人々が共有する心情や素朴な道徳観も変わってきているような気がしてなりません。「小さい子どもや弱い子をいじめてはいけない」「噓をつくことはとても恥ずかしいことだ」「悪事を隠そうとしてもお天道様は決して見逃さない(天網恢恢疎にして漏らさず)」「人生にはお金よりも大切なものがある」「義を見てせざるは勇無きなり」等々今日の社会の状況に憤りや哀しさを感じるとともに、小さい頃から言い聞かされてきたこれらのことを私自身も今現在守り切れているという自信がないことに残念ながら改めて気づかされました。「私の敵は私です」(中島みゆき「ファイト」)久山町は道徳推進運動の町として今年40周年を迎えます。社会の変化の中でその取組の意義がますます大切になってきている気がします。
 変化し続ける社会に対応するために、人々は学校を卒業してからも学び続けることが求められる時代になってきています。図書館には、私たち人類がこれまで大切に守り育ててきた思想や文化、更に未来を切り開くための知恵や情報が詰まった資料や本がいつでも手に取ってみることができるよう用意されています。皆さんの学びに大いに図書館を活用していただきたいと思います。久山町民図書館では職員一同皆様のお越しを心からお待ちいたしております。 

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴