伝統芸
HPセンター長コラム_写真_高木

去る2月10日レスポアール久山において、久山欅太鼓結成20周年を記念するコンサートが開催されました。久山欅太鼓は、「平成10年に町の青年団を中心に『次世代に伝える新しい文化を久山に』を目標に活動を開始(久山欅太鼓 國崎仁会長ご挨拶より)」し、今日では、年長組の「響生会」、太鼓教室をきっかけに結成された幅広い世代のメンバーがいる「鼓三郎」、最初にできたチームで現在は中高校生が中心の「欅座」、そして子供たちの「風っ鼓」のそれぞれのチームで日々の練習に励んでいます。コンサート当日、満席の観客の皆さんは、たゆまぬ練習の成果をうかがわせる華麗な枹(ばち)さばきと身体を揺さぶる太鼓の響きの演奏を心ゆくまで堪能されていました。また、「和太鼓は古来より日本人に親しまれ育まれてきた伝統文化であります。現代社会においてもこの伝統文化を学校教育や地域交流のイベントとして取り入れる動きも活発化しており、益々その役割の重要性が増しつつあると言えます。これからの久山町をはじめ地域社会にとって人と人とをつなぐ重要な役割を担っていると考えています。(同上ご挨拶より)」の理念のもと単に演奏活動にとどまらず、青少年の健全育成や地域の交流等に積極的に取り組まれています。これまで20年の長きにわたり、会を維持発展させ技能を高め合ってこられた会の皆様のご尽力とその活動を温かく見守り、ご支援を続けてこられた町の皆様の取り組みにただただ頭が下がる思いです。「伝統」とはこうした多くの方々の努力とそれを支える人々によって守り続けられるものだとあらためて思い至りました。
「陶芸」も古くから伝えられてきた伝統芸の一つです。久山町には、米国ボストンを拠点に大胆な色遣いなど新しい試みに挑戦し、世界的に活躍されている高鶴元さんの窯元があります。現在は長男の大さんがその窯を使い作品を作っておられます。先日季刊誌「Hisayamano jikan」の取材で編集委員と訪問し、お二人にお話しをお伺いしました。陶芸や窯についての基本的な知識を素人の私たちに分かり易く教えてくださいました。また、伝統を守りつつ新しいものに挑戦するために、過去のあらゆる時代の様々な焼き物の製法を調査・研究されるなど創作活動のかげで地道な努力を続けておられることも併せて学ばせていただきました。
 福岡における地域の伝統芸の一つに「筑前琵琶」があります。琵琶そのものの歴史は古く、日本でも奈良時代には中国から伝わっており、平家の栄枯盛衰を描いた平家物語を語る伴奏楽器として有名ですが、筑前琵琶は意外に新しくそれまでの筑前地方の盲僧琵琶に薩摩琵琶や三味線の要素を取り入れて明治時代に作られたものです。筑前琵琶の若き演奏家として活躍中の高木青鳳さんをお招きして来る3月16日土曜日に演奏会を開催します。伝統を守るためには、まず知ること関心を持つことが必要ではないかと思います。春のひと時、レスポアール久山で、伝統の技を駆使し繊細な音色で表現される琵琶の世界に浸ってみませんか。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴