国民の祝日
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新建川沿いの桜並木が新緑の木陰をつくり、爽やかな風が頬をなでる心地よい季節になりました。レスポアール久山のロビーの天井には、町内の方にお譲りいただいた二組の大きな鯉のぼり、真鯉と緋鯉そして青い子どもの鯉が優雅に泳ぎ、来館者の目を楽しませています。
国民の祝日が続くゴールデンウイーク、楽しい計画をお立てになっている方も多いと思いますが、これからという方も少なくないでしょう。そんな皆様にお薦めがあります。国民の祝日は、「自由と平和を求めてやまない日本国民が、美しい風習を育てつつ、より良き社会、より豊かな生活を築き上げるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日(国民の祝日に関する法律第1条)」です。町民図書館とレスポアール久山はゴールデンウイークの期間も平常通り開館しています。図書館でお気に入りの本を見つけ、ロビーで挽きたてのコーヒーを味わい、ゆっくり寛ぎながら、それぞれの祝日を定めた主旨に思いを巡らすという国民の祝日の過ごし方もいいのではないでしょうか。
5月3日は日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する「憲法記念日」です。憲法改正について、国民一人一人の意思を問う国民投票が現実のものになろうとしています。賛成するにせよ反対にせよ、もう一度、この機会に日本国憲法をじっくり読んでみてはいかがでしょうか。新しい気付きがあるかもしれません。4日は自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心を育む「みどりの日」です。レスポアール久山の周りも自然がいっぱいです。私のお気に入りは、近くを流れる新建川沿いの桜並木です。図書館での読書の疲れを癒す格好の散歩道です。そして5日の「こどもの日」は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、『母』に感謝する(同第2条)」日となっています。この日は昔から「端午の節句」として祝われ、今では、男の子の誕生や成長を祝う日とされていますが、由来をたどると、元々は女性のための日だったようです。私たちが大切にしている風習や伝統も、それぞれの時代背景の中で変化してきています。現代の価値観に照らし合わせて不都合な風習は、不都合な部分を修正することでこそ本来の伝統を引き継いでいくことが出来るのではないかと思います。
また、ここで「両親」ではなく敢えて「母」に感謝するとしたことについても大切な意味を感じます。国民の祝日ではありませんが、13日は「母の日」です。まさに「母に感謝する日」として広く国民に定着しています。生まれたばかりの幼子は、決して一人では生きることはできません。その子が生まれた瞬間から、一人で歩きしゃべられるようになるまで常に寄り添い成長を見守り助けるのは主に母親です。母の性である女性への蔑視やセクハラは、自らの生の否定にもつながる傲慢さの表れです。国民の祝日の意義である「美しい風習を育てつつ、より良き社会、より豊かな生活を築く」ためには、謙虚な学びの継続が必要だと思います。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴