社会の健康
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冷たい風に落ち葉が舞う日が続いています。新建川沿いの桜並木の中にはすっかり葉を落としてしまった桜の木も何本か見られます。寒くて乾燥した日が続いているせいかインフルエンザが流行する兆しがみられるようですが、今年はワクチンの製造が遅れ予防接種に支障をきたしているそうです。人は一度ウイルスに感染すると次にそのウイルスが身体に入ってきた時、そのウイルスを排除する抗体ができます。ところが、インフルエンザのウイルスは少しずつ変化し、その年の抗体は翌年にはあまり役に立たなくなるため毎年の予防接種が必要になるのだそうです。また、ウイルスがたまに大きく変化すると、抗体もなくワクチンも効かない状況下で世界的な流行が起こり、多くの人々が罹患し亡くなる事態が生じることもあります。抵抗力の弱い幼い子どもさんや高齢者にとってインフルエンザは重症化を招く侮れない病気です。風邪は万病のもととも言われます。これから本格的な冬を迎えるにあたり、多くの人々にご来場、ご参加いただくレスポアールの職員はウイルスの媒介者にならないよう風邪やインフルエンザには特に気を付けたいと思います。
先月のレスポアール久山の職員研修は「久山町における健康づくりの取り組み」についてでした。取り組みの中心機関であるヘルスC&C(チェック&ケア)センター長の清原裕先生から「取り組みの歴史と成果そしてこれから」をお話しいただきました。久山町では昭和36年(1961年)から町民の健康管理を九州大学医学部と連携して進めています。日本が世界一の長寿国といわれるようになったのは、この取り組みにより当時の日本人の本当の死因が脳卒中であることが明らかになり、その対策をとることが出来たからといっても過言ではないそうです。九州大学医学部教授として当初からこの取り組みに携わってこられた先生のお話から、長年にわたる町民の皆様はじめ関係者の方々の地道で献身的な努力が今日の成果を生んだことがよく理解できました。また、この取り組みは、その後も新たな健康課題を明らかにするなど世界的な注目を集める素晴らしいものであることを改めて認識いたしました。
「人の『身体の健康』は学術研究の一環として九州大学医学部が担うが、人々が暮らすその『土地の健康』即ちきれいな水や空気、豊かな土壌を育む自然環境、そして、町の人々の日々の暮らしを支えるコミュニティとしての『地域社会の健康』は、久山町及び町の人々が担うという役割分担の中で総合的に『健康づくり』に取り組んできた」というお話は、私たち「レスポアール久山・町民図書館」にとって運営上忘れてはいけない大切な視点を再認識させていただきました。急激に変化し続ける現代社会にあって、レスポアール久山は、町の人々の生涯学習や文化・芸術活動の支援や交流及び発信を通して「地域社会の健康づくり」の一翼を担っていくという自覚のもとにこれからの運営に努めてまいりたいと思います。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴