「山の日」に思う
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梅雨が明け暑い日が続いています。7月初旬の記録的な豪雨は北部九州特に朝倉や日田地方に大きな災害をもたらしました。被災地の皆様には心よりお見舞い申し上げます。今年の梅雨は、しとしととした雨が何日も降り続くというイメージとは程遠いものでした。次々と発達した積乱雲が一定の地域に集中的に猛烈な雨を降らすという線状降水帯はその後も日本の各地で発生し多くの被害をもたらしています。日本の国土は山と海の距離が短くその間を流れる河川は必然的に急流になっています。そこへ短い時間に大量の雨が降ると、河川の氾濫や土砂崩れが起きやすくなります。今年のような雨の降り方が続くとなると、梅雨期における対応についての私たちの認識を変えないといけないのかもしれません。 
時に牙をむき私たちの暮らしを脅かすこともある山ですが、普段の山は私たちに多くの恵みを与えてくれます。古代においては、衣食住のほとんどの面において私たちの暮らしを支える大切な場所であり、人々は山そのものに畏敬の念を抱き、信仰の対象とするなど精神的な支えでもありました。山は木々を育み大気中の二酸化炭素を取り込み、替りに多くの酸素を供給しています。また、降り注ぐ雨を一時的に保水し、時間をかけて川に流し続けることで洪水を防ぎ、途中の大地を潤し続けます。また、山で滋養を十分に含んだ水は流れついた海を豊かにして多くの海の生物を養っています。8月11日は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」国民の祝日「山の日」です。我が久山町は町の面積のかなりな部分が山で占められており、町の西北の新宮町と福岡市との境界には三日月山と立花山、伊野皇大神宮の奥に遠見岳、東には三頭山と三百から五百メートル級の2~3時間で登れる山が身近にあります。「山の日」の機会に家族で山に登り心身をリフレッシュするとともに、これまでその山に登ったり、関わったりしたであろう多くの先人について思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

ふるさとの 山に向かいて 言うことなし
ふるさとの山は ありがたきかな   石川啄木

レスポアール久山の今年の歴史講座は「久山周辺の山の歴史」がテーマです。第1回は「遠見岳と神功皇后伝承」第2回は「立花山と山城の歴史」でした。8月23日(水)の第3回は「首羅山遺跡と周辺の山寺」について教育委員会の江上智恵さんにお話しいただきます。第4回は「若杉山と仏教美術」について九州歴史資料館の井形進さんに学びます。第5回の「山登り入門」で登山ガイドの河野綾子さんに登山の基礎を学び、第6回からは「立花山」「首羅山」「若杉山」「遠見岳」に実際に登り、山の魅力を堪能するとともに、講師のお話を聞きながらそれぞれの山に残された歴史の足跡を確認いたします。皆様のご参加をお待ちいたします。

分け入っても 分け入っても 青い山    種田山頭火

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴