無財の七施
kinga

新年明けましておめでとうございます。旧年中は多くの皆様にご利用いただき誠にありがとうございました。本年も町民の皆様はじめご利用の皆様に愛され親しまれる事業の企画や施設の運営に努めてまいりますのでよろしくお願い申し上げます。
毎年お正月には、全国の大小の神社が大勢の参詣者で賑わっている様子が報じられます。有名な神社になると、参詣者は数百万人にも上っているようです。クリスマスを祝い、年の瀬にお寺の除夜の鐘を聞き、正月には神社へ初詣に出かけるという私たち日本人の暮らしぶりや宗教観に、他の国の人々は驚かれるようですが、多くの日本人は、そのことにほとんど違和感を抱かずに、年中行事の一部として暮らしに取り込んでいます。
ところで、参詣の折に、私たちはお賽銭をあげてお願い事をしますが、このお賽銭は、もともとは神様に何かをお願いするためのお金ではなく、願い事が叶ったことへのお礼のために差し上げるものだそうです。経済中心の生活に慣れすぎてしまったせいか、お賽銭も上げずに願い事をすることには後ろめたさを感じます。でもよく考えたら、お金で願い事を買うということのほうが神様に対して失礼あたる気がします。
寺院へのお布施も、お経をあげていただいたり、戒名を付けていただいたことなどへのお礼ではなく、六波羅蜜という仏教の悟りを開くための六つの修行の一つなのだそうです。六つの修業とは「布施(施すこと)」「持戒(自制すること)」「忍辱(耐え忍ぶこと)」「精進(励むこと)」「禅定(心静かに思惟すること)」「智慧(学ぶこと)」です。その布施行にも、金銭や物品の「財施」教えを説く「法施」人の悩みや相談に応じる「無畏施」の三つがあり、普段私たちが行っているお布施はその中の「財施」ということになります。仏教の教えはここに止まらず、十分なお金や知識、経験がなくても、気を付けるだけで誰でもができる修行を用意してくれています。次の無財の七施がそれです。
1.(慈)眼施      温かい眼差しで人に接すること
2.和顔(悦色)施   人に優しく微笑みかけること
3.言辞施       思いやりのある優しい言葉をかけること
4.身施        身体を使って精一杯務めること
5.心施        慈しみの心で他を思いやること
6.床座施       席を譲ってあげること
7.房舎施       気持ちよく人を家に迎え入れること
これらは、日常生活においても大切にしたい心がけだと思います。ただ、実践するとなると意外と大変そうです。この一年、できる範囲でこの七施に取り組んでみたいと思います。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴