温故知新
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7月10日(日)参議院議員選挙の投票日と同じ日、レスポアール久山では大衆演劇「大川龍昇とさつま舞踊団」の公演があり、多くの皆様にご参加いただきました。この公演は久山町の町制60周年をお祝いすることと併せて熊本震災の復興を支援するチャリティ公演として、町の社会福祉協議会や老人クラブ連合会、文化協会の皆様にもご協力いただき開催されたものです。町からも、町長、副町長、教育長が特別出演され、公演に花を添えていただきました。ほとんどの皆様が、大衆演劇は久しぶりということもあり、昔を懐かしみ、大いに楽しんでいただいたようです。特に、幼い頃から舞台に立ってこられたという座長の大川龍昇さんの演技にはすべての観客が引き込まれ大いに笑い、涙していました。
「芸」の継承には、役者自身の取り組みはもちろん、その「芸」を楽しむ観客の存在が欠かせません。今回の企画にあたっては「浪曲」の公演も検討してみました。しかし、時代の流れでしょうか、若い人たちは「浪曲」そのものを知りません。また、来ていただける「浪曲師」を探すのも大変のようでした。「大衆演劇」も含め、せっかく私たちの国で育った文化です。みんなで守り育てていきたいものです。
8月のレスポ塾は「平和を考える~映画『対馬丸』を観て~」です。毎年夏休みに行われる久山中学校の「平和学習」との連携事業です。「平和」も私たち一人ひとりが守り育てなければならない大切な取り組みです。「平和でなかった時代」を振り返ることは「平和」を考える上で欠かせない営みです。「平和でなかった時代」を全く知らない中学生とその時代を体験したあるいは身近に体験者がたくさんいた世代であるレスポ塾生が当時を描いた映画を通して「平和」についてともに学びます。
「温故知新(おんこちしん)」論語の一節で「故(ふるき)をたずね新しきを知る」と読みます。先日の「祭りひさやま実行委員会」で決定した今年の「祭りひさやま」のテーマです。町制60周年の年にあたり、60年を振り返り、新しい町のありようを目指そうという意味が込められています。「祭り」そのものも今回で23回を数えます。実行委員会でも、これまで先輩が積み上げてこられた数々の工夫、苦心に思いを馳せ、新しい時代に向けた祭りを目指そうと張り切っています。今日私たちが恩恵に浴している様々な科学技術や文化も、つい近年の人間社会が獲得したものと思いがちですが、そのベースには科学や文化の長い歴史の積み重ねがあります。新しい気付きや発展のために、過去を振り返ることは決して無駄ではありません。未来へのヒントが埋もれているはずです。特に、読み継がれてきた古典には、私たちの生き方や社会の指針を示してくれる珠玉の言葉がちりばめられています。「温故知新」もその一つです。この夏休み、図書館を利用して古典に親しみ先人の知恵に触れてみてはいかがでしょう。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴