被災地の皆様へエール
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「夏も近づく八十八夜・・・」今でも多くの人々に親しまれ、口ずさまれている唱歌「茶摘み」の一節です。まさに「・・・野にも山にも若葉が茂る」季節になりました。八十八夜とは、立春の日から数えて八十八日目のことで、うるう年の今年は五月一日がその日に当たります。地域によって差はあるのでしょうが、この日は農業における夏に向けての作業の一つの目安となっているそうです。五月一日は、世界各地で行われる労働者の祭典の日「メーデー」の日でもあります。この日も、元々はヨーロッパ各地で行われていた夏の訪れを祝う祭りを、労使が一時的に対立を取り止め、共に祝ったことが始まりといわれています。

また、ゴールデンウィークを目前としたこの時期、様々な楽しい企画に胸をはずましておられる方がいる一方、この度の地震で被害に会われた方々の中には、まだまだ普段の生活に戻れない方も多くいらっしゃると思います。心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早く復旧、復興が進みますようお祈り申し上げます。

「ゆく河の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず・・・」ではじまる平安末期から鎌倉時代にかけての歌人・随筆家である鴨長明の「方丈記」には当時の様々な天変地異が書かれていますが、その中に、都を襲った元暦2年(1185年)の大地震についての記述があります。「都のほとりには、在在所所、堂舎塔廟、一つとして全からず、或るはくづれ、或るはたふれぬ。塵灰立ちのぼりて、盛りなる煙のごとし。地の動き、家のやぶるる音、雷にことならず・・・」

まさに今回の地震を彷彿とさせるものがあります。「方丈」というのは一丈(約3メートル)四方の庵です。作家で明治学院大学教授の高橋源一郎さんによると、鴨長明は何時地震が起きても対処できるように、簡単に組み立て解体ができるこの庵に住んだのだそうです。私たちの日本列島は、四季それぞれに豊かで美しい姿をみせてくれる反面、いつ、どこで地震が起こってもおかしくない危険な地勢です。地震への対応は、事後も必要ですが、この際、国を挙げて知恵を出し合い、事前の対策を講じてもいいのではないかという気がします。

レスポアール久山では、被災地の皆様のお役に立つ取り組みをしたいというスタッフの提案で、7月10日(日)開催の「大川龍昇と薩摩舞踊団による大衆演劇」をチャリティ公演として、入場料の一部を被災地の皆様に義援金としてお届けしようということになりました。当日の出し物である「天竜母恋笠」という笑いと涙の人情時代劇には、久山町の町長と副町長と教育長のお三人にも役者として、ご出演いただくことが決まりました。第一部の時代劇と第二部の舞踊ショウの幕間には、レスポアール職員もメンバーである三味線演奏を通して地域貢献を目指す「久山浅野会」の皆様に友情出演していただきます。この取り組みに多くの皆様のご参加をいただけるよう努めることで、被災地の皆様の元気づくりにエールを送りたいと思います。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴