希望を分かち合う
写真_外観と青空

寒い日々が続いています。これまでが暖かかったせいか寒さが身に沁みます。ついこのあいだ新年のご挨拶をしたようですが、早いものでもう2月です。年を取るほどに、時間のたつのが早く感じられます。
今月は、前回もお知らせしましたように、2月6日(土)に劇団「風の子中部」による昔遊びやわらべ歌など子どもさん向けの楽しい公演会を、また、2月27日(土)に北海道歌旅座による「昭和ノスタルジアコンサート」を開催します。また、翌2月28日(日)には久山の女声合唱グループ「コール・ひさやま」の皆さんと指導者でピアニストの佐伯先生、ゲストとしてハーモニカの榎木田さんをお迎えしたロビーコンサートを行います。寒さを吹き飛ばす楽しい一日になることをお約束しますので是非ご参加ください。
「常に『希望』を持ち続ける一年でありたい」と前回1月のコラムに書いたばかりですが、大きな課題に直面し、なかなか胸を張って希望を語ることのできにくい心境に陥りました。そんな中、小児科医で現在東京大学准教授の熊谷晉一郎さんの言葉を思い出しました。熊谷さんは、新生児仮死の後遺症で運動機能や姿勢を維持する脳機能に障害が生じ、車いす生活になります。自分の障害と向き合い、様々な活動を続ける中で見出された言葉が「『自立』は、依存先を増やすこと。『希望』は、絶望を分かち合うこと」だそうです。つまり「自立の反対語は依存と一般的に言われるが、人間は様々な人や物に依存しなければ生きていけない。健常者は様々なものに依存できていて、逆に、障害者は、限られたものにしか依存できていない。私たちの社会は、相互依存で成り立っている。だから、自立とは依存先を増やすことなのだ」また、「障害を持ち、絶望を抱えて暮らしてきた多くの人たちと、それぞれの絶望体験を披歴し共有する中で、勇気や希望のようなものが生まれてきた」というのです。
久山町にある「久原本家」という会社が行っている社会事業の一つに「くばらだんだんアート」という取り組みがあります。(「だんだん」は出雲地方などの昔の方言でありがとうの意味。)障がいのある方々から絵画を募集し、受賞作品をオリジナルの段ボールなどのデザインに用いて、その利益をアーチスト及び福祉施設へ還元することで障がいのある方々の社会参加のきっかけづくりを目指すものです。毎年新入社員のプロジェクトとして取り組み、今年で4回目。今年のテーマは「大好きな人と食べたいごはん」で、全国から759点もの応募があったそうです。先日、その作品審査会にお邪魔させていただきました。そこで、この事業への関係者の方々の熱い思いに触れ、また、作者の思いが率直に表現された素晴らしい作品の数々を拝見するうちに、「『希望』を分かち合うことでも希望が生まれる」ことに気づかされました。
レスポアール久山も、この取り組みの輪に加わらせていただきたいと思っています。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴