大事なもの
祭りひさやま写真

レスポアール久山塾の第一回として、「ペコロスの母に会いに行く」を上映いたしました。これは、認知症の母親と漫画家の息子との実話に基づく心温まるエピソードを綴った同名のエッセイ漫画を映画化したものです。深刻な社会問題として語られがちな介護や認知症について、自身の体験をもとに認知症の母親との何気ない日常を描くことで、私たち観ているものにも、身近な問題として共感できる素晴らしい映画でした。受講者の皆様からも、とても感動したとの感想をいただきました。

解説の元RKBアナウンサー古山和子さんによると、監督の森崎東さんは85歳というご高齢でメガホンをとっておられ、母親役の赤木春恵さんは、撮影当時89歳で、現在最年長主演女優としてギネスブックに登録されているそうです。この映画のもう一つの特徴は、映画の最後にスタッフや関係者を紹介するエンディングロールがとても長いことです。これは、この映画が高齢の監督の最後の作品になるかもしれないと、スタッフが製作状況を記録したメイキングフィルムを組み入れたことにもよりますが、映画の制作に携わった人々は皆等しく大切であり、全ての人をもれなく紹介したいという森崎監督の思いによるものだそうです。

10月17日(土)・18日(日)の両日は、久山町の一大イベントである「祭りひさやま」が雲一つない青空の下、久山中学校を会場に行われました。祭りには、朝早くから子どもからお年寄りまで多くの方が来場され、出店の美味しい食べ物に舌鼓を打ち、展示作品やステージでの出し物、抽選会を楽しみ、最後は、豪快な花火を堪能されていました。

この祭りが事故も無く盛会裏に終了できたのも、実行委員はじめ協力団体の皆様の献身的な働きのおかげです。協賛金の依頼、プログラム作り、出演交渉、会場設営、機材等の監視のための泊まり込み等の事前準備、祭り当日の大量に発生する会場内のごみの処理、炎天下次々に訪れる来場者の車の整理、トイレの清掃等々表面に出ない多くの働きが祭りの成功を支えてくれました。我がレスポアール久山も本社からの応援を得ながら、スタッフ一同心を一つにして、実行委員の皆様とともに、準備や運営に携わってまいりました。ただ、祭り初体験の私は、賑やかな祭りの雰囲気に飲み込まれて、つい自分の役割より祭りそのものを楽しんでしまう場面が多かったようで少々反省しています。

書家で詩人の相田みつをさんの作品の中に「土の中の水道管。高いビルの下の下水。大事なものは表に出ない。」という言葉があります。最近、マンションを支える杭が岩盤まで届いておらず、マンションが傾いてしまったという事件が報道されています。表に出ない大切なものだからこそ、そこには「信頼」という要素が不可欠です。レスポアール久山では、表に出るものも出ないものも大事にしながら「信頼」される仕事をしていきたいと思います。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴