今を精一杯生きる

長い夏休みが終わり、いよいよ2学期が始まります。子どもたちは楽しい思い出をたくさん作ったことでしょう。ところで、夏休みの課題は無事終えることができたのでしょうか。町民図書館には夏休みの終わり間近まで夏休みの課題図書を求める子どもや親御さんが多かったそうです。私も、夏休みを迎えるワクワク感や夏休みの間にやりたいことを夢見た楽しい記憶とともに、夏休み終わり間近に手つかずの大量の宿題を前にして「もっと早く宿題をやっておけばよかった」という反省や「はたして残りの日数でこれらの宿題を全部終えることができるだろうか」といった不安や焦燥感、そして早々と宿題を済ませ、外で元気に遊びまわっている友達をうらやましく思った記憶がよみがえってきました。

来年の夏は、子ども時代の私のようになかなか計画的に勉強できない子どもさんたちをサポートし、彼らの夏休みをもっと有意義で楽しいものにする取り組みを考えてみようと思います。彼らが今後、物事を計画的に行う習慣を身に着けるための手助けになるかもしれません。

ところで、夏という季節は体が動きやすくなると同時に、私たちの心も様々なことに思いを馳せやすくなります。そしてこの時期は、お盆や終戦記念日など「命」や命を守る「平和」について考える絶好の機会でもあります。

お盆は仏教の行事の一つで祖先の霊をお迎えし共に過ごす儀式ですが、正月の神社詣でと同じく私たちの社会生活の一部になっています。遠い祖先から絶えることなく連綿と引き継がれて今の自分の命があることに思いを廻らすことは、現在の命を考える上で大切なことです。人がこの世に生を受けるためには誰でも必ず父親と母親が必要です。その父親母親にもそれぞれに父親と母親が必要です。つまり1代遡るごとに2倍ずつ増えていきます。仮に1代を25年とすれば、40代前、平安時代紫式部や清少納言が活躍した頃の祖先は2の40乗で1兆人を超えてしまいます。私たち人類はもっともっと多くの世代を経ています。人一人の命がここにあるためにはどれほどの命がかかわっているのかを考えると気が遠くなります。

また、終戦記念日は、国の内外において多くの犠牲者を出した先の戦争を反省し、平和について考える日でもあります。毎年この時期、町はレスポアールのロビーで戦争の悲惨さ平和の大切さを考える平和事業パネル展を開催しています。今年度は原爆がテーマでした。8月6日広島、8月9日には長崎に落とされた原子爆弾は一瞬にして何万人という多くの市民の命を子どもやお年寄り男性女性も関係なく無差別に奪いつくしました。

一人一人の命は、どの命も、はるか昔から多くの命とつながりながら続いてきたかけがえのない大切なものです。しかし、自らの責任や行動と関係なく、一瞬にして奪われる儚いものでもあります。与えられた命を大切に守り輝かせるためにも、今を精一杯生きたいものです。

久山町文化交流センター
センター長兼図書館長 太田隆晴